【福祉の豆知識シリーズ】

補助金申請ノウハウ編

①補助金と助成金の違い、まず理解!

福祉法人の経営支援を行っていると、「補助金と助成金、どう違うの?」という質問をよくいただきます。
どちらも“法人の成長を支援する制度”ですが、仕組みや申請の考え方には大きな違いがあります。

補助金=「選ばれる制度」

補助金は、国や自治体、各省庁(例:厚生労働省・経済産業省など)が実施する審査・採択型の支援制度です。
申請内容を比較し、事業の目的・効果・実現性などが評価され、選ばれた法人のみが採択されます。

そのため、採択率は制度によって大きく異なりますが、全国平均では20〜40%程度です。
特に人気の高い補助金では競争率が高く、計画書の完成度や数値目標の明確さが採否を左右します。
つまり、しっかりとした「事業計画力」が問われる制度です。

助成金=「条件で受けられる制度」

一方で助成金は、主に雇用や人材育成に関する支援制度です。
代表的なものに「キャリアアップ助成金」や「人材確保等支援助成金」があります。

こちらは競争ではなく、制度で定められた条件を満たせば支給される仕組みです。
例えば「正社員化」「研修の実施」「就業規則の整備」など、法人の取り組みをもとに申請・支給されます。
補助金のように採択・不採択の結果が出ることはありません。

共通する目的は「法人をより良くすること」

補助金も助成金も、目的は共通しています。
それは——
「法人の成長」や「働く環境の改善」を支援すること。

一時的な資金調達ではなく、**法人の未来をつくるための“投資”**として捉えることが大切です。
そのためには、日々の運営の中で「どんな支援を受け、どんな未来を描きたいのか」を明確にし、
計画性をもって取り組む姿勢が求められます。